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国立新美術館
国立新美術館
〒106-8558 東京都港区六本木 7-22-2


LOUVRE 国立新美術館
LOUVRE Musée du Louvre. Peinture de genre. Scènes de la vie quotidienne.
 このたび、パリ、ルーヴル美術館の豊かなコレクションより厳選された83点の作品を通して、16世紀から19世紀半ばまでの風俗画の歴史を展望する、「ルーヴル美術館展 日常を描く―風俗画にみるヨーロッパ絵画の真髄」 を開催する運びとなりました。
「風俗画」 とは、人々の日常生活の情景を描いた絵画です。 家事にいそしむ召使い、物乞いの少年、庭園に集う貴族の男女――身分や職業を異にするさまざまな人々の日常が生き生きと描かれた風俗画からは、当時の生活をうかがい知ることができます。 一方で、そこには必ずしもありのままの現実が描かれているわけではありません。 日常の装いの中に秘められた複雑な道徳的・教訓的意味を読み解くことも、風俗画ならではの楽しみといえるでしょう。

[みどころ]
史上空前!―風俗画の歴史を一望する本格的な展覧会
各国・各時代を代表する珠玉の名画が結集―風俗画にみるヨーロッパ絵画の真髄
フェルメールの《天文学者》、待望の初来日
現実の記録か、絵空事か?―風俗画のおもしろさ

会期: 2015 2/21.sat―6/1.mon 展覧会は終了しました。
休館日: 毎週火曜日
 ただし、5月5日(火)、26日(火)は開館
開館時間: 10:00-18:00
金曜日、5月31日(日)は20:00まで (※入場は閉館の30分前まで)
会場:
国立新美術館 企画展示室1E (東京・六本木) 巡回展で開催。
主催:国立新美術館、ルーヴル美術館、日本テレビ放送網、読売新聞社

   巡回先 京都展:2015 6/16〜9/27 京都市美術館 (京都市左京区・岡崎公園内)

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「ルーヴル美術館展」国立新美術館
「ルーブル美術館展」
日常を描く―風俗画にみるヨーロッパ絵画の真髄
開会式 & プレス内覧会 '2015 2/20

巨匠たちの傑作に触れ、16世紀から19世紀のヨーロッパの人々の生活を発見する
現実と虚構が入り混じる風俗画は、私たちに尽きせぬ謎をつきつけ、それを読み解く楽しみを与えてくれます。

フェルメールの円熟期の傑作 《天文学者》 が初めて日本で公開!
【展覧会の構成】
 本展は、出展作品の選択にあたって設定された時代領域、すなわちルネサンスから19世紀に至る絵画芸術の変遷を理解するための、意欲的で、きわめて豊かな試みです。
 シャルル.・ル・ブラン、からドラクロワ、フェルメールからシャルダン、クロード・ロランからコロー、アドリアーン・ファン・オスターデとヘラルド・ダウからミレー、アンニーバレ・カラッチからフラゴナールに至るまで………本展に出展される絵画作品の数々は、驚くべきものであり、監修者ヴァンサン・ポマレッドの野心を見事に表しています。
ルーヴル美術館展 日常を描く―風俗画にみるヨーロッパ絵画の真髄」のプロローグT・Uと 6章による展覧会構成です。
IntroductionT 「すでに、古代において…」風俗画の起源
IntroductionU 絵画のジャンル
ChapitreT 「労働と日々」――商人、働く人々、農民
ChapitreU 日常生活の寓意――風俗描写を超えて
ChapitreV 雅なる情景――日常生活における恋愛遊戯
ChapitreW 日常生活における自然――田園的・牧歌的風景と風俗的情景
ChapitreX 室内の女性――日常生活における女性
ChapitreY アトリエの芸術家

'2015 2/20 プレス内覧会の会場内風景と展示作品風景です。

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レアグロス・グループ 《黒像式ヒュドリア》
IntroductionT 「すでに、古代において…」風俗画の起源
 人間の、そしてその周囲の現実を表現することは、古代からの創造的欲求であり、それは芸術の実践と同じ位長い歴史をもっている。

・6左 「甕」 拡大 レアグロス・グループ 《黒像式ヒュドリア》
肩の部分:《戦士たちの出発》 腹部:《水を汲む女性たち》 前525-前500年頃
陶土、釉薬、線刻、白色と赤色の賦彩 高さ52.3cm 直径31.8cm
パリ、ルーヴル美術館 古代ギリシャ・エトルリア・ローマ美術部門
 古代ギリシャ陶器には、日常的行為にいそしむ女性たちの群像が表されている。 黒像式のヒュドリア(水運搬用に甕)では、その肩の部分には戦いに出発する戦士たちの姿が配され、腹部には泉で水を汲む女性たちが描かれている。

ヘリット・ファン・ホントホルスト《抜歯屋》
ChapitreT 「労働と日々」――商人、働く人々、農民
 人間の黎明期における最初の美的欲動、すなわち芸術の起源から、後に続くあらゆる文明の発展において、日常世界を表すこと、現実を忠実に描き出すこと、こうした欲求は明白で避けて通ることのできない霊感源となった。

・24 ヘリット・ファン・ホントホルスト(1590-1656) 《抜歯屋》 1627年
油彩/カンヴァス 137 x 200cm  パリ、ルーヴル美術館 絵画部門
 作家がモニュメンタルな大画面に描いた抜歯屋は、強烈な印象を放つ、近年修復がなされた画面には、カラヴァッジョの生々しい写実主義の影響が多数認められる。 登場人物を力強く彫り出す洗練された影の中で、患者は痛みに苦しんでいる。 一方、えせ医師は歯を抜いて満足気に微笑み、さらに場面の見物人の一人――歯医者の共犯者であろうがなかろうが――は、別の見物人から盗みを働くところである。つまり、いかさま師は当然のことながらスリとぐるになっていたのである…。

ニコラ・ランクレー《狩りの食事》
ChapitreV 雅なる情景――日常生活における恋愛遊戯
  西洋美術における祝祭の寄合を描いた初期の風俗画では、豊穣で気持ちのよい自然を背景に、中央では踊りや音楽、ごちそう、楽しそうな恋人たち、樽から供されるワインなどのモティーフが組み合わされ表現される。 要するに生命の幸せの本質そのものを見出すことができるのだ。

・44 ピーテル・デ・ホーホ(1629-1684) 《酒を飲む女》 1658年
油彩/カンヴァス 69 x 60cm パリ、ルーヴル美術館 絵画部門
 節酒の奨励という文脈において解釈すべき作品である。 一人の高級娼婦はすでに少し酔っていて、男からもう一杯注いでもらっている。 …よくよく考えるべき教訓的戒めが提示されている…人間は自分を節制する術を心得、控えめに、決して羽目を外しすぎず 「楽しむ術を学ば」 なければならないのだ。

ヤン・フェルコリエ1世《授乳する女性》
ChapitreX 室内の女性――日常生活における女性
 いかなる流派であれ、またいかなる時代の絵画であれ、風俗画の分野において、女性の描写は間違いなく最も重要な要素の一つだといえる。

・67 ヤン・フェルコリエ1世(1650-1693) 《授乳する女性》 1675年
油彩/カンヴァス 58.5 x 51.5cm パリ、ルーヴル美術館 絵画部門
 ブルジョワの洗練された室内を描いており、それは、この若い母の安楽な社会階級を示している。 若い女性の刺繍の施された光沢のある布のように、非常に入念に描かれた衣服の質は、家庭の主婦や授乳する母親の活動にはまるでふさわしくない。 子どもは母親が遊ばせている小さな犬の方に自然と注意を向けており、母親の乳から離れている。


ルーヴル美術館展
ルーヴル美術館展 (国立新美術館内覧会風景)

儚い世の美術―16世紀から19世紀のヨーロッパの「風俗画」(カタログからの抜粋文章)

ヴァンサン・ポマレッド
ルーブル美術館文化プログラム編成・メディエーション局長/統括学芸員
 この展覧会は、ヨーロッパにおける、現実の生活を絵画にすることへの本質的な関心のみならず、それが果たす重要な役割をも明らかにすることを目指している。 …美術のアカデミーは、「王立」 であろうとなかろうと、古典主義の理論家によって主導されている場合が多く、当時、とりわけフランスでは 「偉大な主題」 すなわち歴史画をはっきりと奨励しながら、若い画家の教育を少しずつ組織化し、君主や王侯の権威にふさわしい美術政策を指導していた。 歴史画は、神話や聖書のエピソードを気高く再現することを求め、ふさわしい教育――レアリスムと観察よりも、想像力と理想的形態に基づいた教育――を必要とする。 このように 「絵画ジャンルのヒエラルキー(序列)」 は、フランス革命まで、あるいはそれを超えてもなお、フランス美術とヨーロッパの一部の美術において少しずつ鉄の規則となっていった。

 その後、18世紀の美術は、特にフランスにおいて、物語や宗教を扱う 「偉大な主題」 と日々の生活をテーマとした作品との間の対決によって、行く手を阻まれ、左右された。 ヴァトー、シャルダン、グルーズの作品の美学的な位置づけ、ドニ・ディドロの批判的判断、1760年から現れ始め、1830年にも変わらず活動していた 「新オランダ」派――最も目立つ継承者の一人はジョルジュ・ミシェル――の成功、これらは皆、この問題から生じている。 17世紀のドグマ(教義)を相対化して日常生活の絵画を再評価することは、徐々に無視できない選択となり、絶対君主制の終わりからフランス革命と帝政を通じて政治的立場や美学的な論争に影響を及ぼした。

 ドイツの哲学者ヘーゲルが、1818年からハイデルベルク大学で行った美学講義の中で、日常生活の再現に対する知識人たちの関心を裏づけたのである。 彼は次のように述べている。 この 「風俗(ジャンル)画」 は、「外的で感覚的な物質世界に深い変化を被らせており」、このことから、芸術は 「それ自体は取るに足らないものに価値を刻印し」、「自然の状態ではつかの間で儚いものを永遠のものとする」 のである。 ヘーゲルは 「卑俗な自然と呼びならわされているものが芸術に取り入れられ得る」 という事実を認め、同時にこの 「俗なるものや日常生活と絵画の完全な統合」 を称賛している。…

 さて、すべてルーヴル美術館のコレクションの中から作品を集めたこの展覧会は、たった一つの主題を検討することによって、西洋美術の4世紀を横断しようというものである。…
 ブリューゲル、レンブラント、フェルメール、テニールス、ムリーリョ、ティツィアーノ、ヴァトー、シャルダン、ブーシェ、ミレー、ドラクロワ、コローの著名な絵画作品と、いくつかの貴重な古代の作品、シドンの墓碑や「ぶらんこの画家」 による黒像式頸部アンフォラをも含んだこの展覧会は、年代順の構成ではなく、歴史を通じて 「風俗画」 を特徴づけるテーマによって構成されている。…

 しかし、こうした考察を超えて、日本という国――日常の再現の問題が常に芸術上の焦点であった国――で開催されるこの展覧会は、芸術と同時代の世界との基本的な関係に、創造者とその時代の間で確立された緊密で変わることのない関係に、何よりも関心を置きたいと考えている。 「自然の光景や同時代の風俗によって着想を得た主題の、ありのままに捉えられた場面」 を表現する 「風俗の場面」 は本質上、もちろん、何よりもその時代に、まさにその時の世界に、同時代の人々に関心を持っている。 したがって歴史的であれ美学的であれ、あらゆる問題は、芸術家がその才能や天分によって、同時代の人々を、不可侵のもとへと、永遠へと導くことができているかどうかを知ることにあるのだ。 (望月典子訳)
 西洋絵画の主題は、大きくいつて二つのカテゴリーに分けることができる。 世俗画と宗教画である。 風景、肖像、日常生活の諸場面、神話や歴史主題は、非宗教的な世俗の領域に属している。 これらに対して、旧約聖書や新約聖書の物語、福音書外典、キリスト教文化に関わる聖人たちの生涯や、彼らの著作に基づく主題は、聖なる領域に属している。 しかしながら、ルネサンスから19世紀までの間、一見すると全く異なるこれらの二つの対極的な図像は、しばしば互いに影響し合った。 世俗図像と宗教図像の接点は、主題の表現自体に本質的に内在している場合もある。 あるいは、画家自身の個性や想像力の性質から、慣習的に認められている図像の結びつきを軽視する場合もあるだろう。… (「風俗画とその聖なる次元」 ブリジット・ガリーニ)

お問合せ:03-5777-8600 (ハローダイヤル)
展覧会サイト:http://www.ntv.co.jp/louvre2015/
美術館サイト:http://www.nact.jp/
主催:国立新美術館、ルーヴル美術館、日本テレビ放送網、読売新聞社
後援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本
特別協賛:野村證券 協賛:大日本印刷、損保ジャパン日本興亜
協力:エールフランス航空、日本通運、JR東日本、BS日テレ、CS日テレ、
ラジオ日本、J-WAVE、InterFM、文化放送、テレビ神奈川
企画協力:NTVヨーロッパ

参考資料:「LOUVRE」Press Release、他。

※写真撮影の掲載等は、主催者の許可を得て行っております。


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